自分はモノにたいする指標のひとつに「モノを小さくする(小型化)」というのがある。たとえばデスクトップパソコンだと同じ性能ならATXよりもMicro-ATX、Micro-ATXよりもMini-ITX、といった感じだ。
もちろん全部が全部小型化すればいいというわけではなく、モニターなどはある程度の大きさがあったほうが断然見やすいし作業効率もいい。ゲームボーイミクロのように小さすぎるのも考えものだ。
要は「同じ性能ならこの大きさである必要なくない??」という問いを持ちましょうって話。
で、これを応用したのが服の収納。もともとそんなに服は持っていないが、長袖のスウェットやパンツを持っているのでどうしても畳んだときにかさばる。これをなんとかしたい。
じゃあ畳んでかさばる洋服はどうすんべ??って考えたときに真っ先に思いついたのが圧縮袋を使って収納する方法だ。
その昔、テレビで見た「圧縮袋と掃除機を使って、あんなにかさばってた羽毛布団がぺしゃんこになる様子」は今でも覚えている。あれを洋服でもやろう!というわけだ。
というわけでAmazonで買ってきたものがこちら。

こちらは手でクルクル巻いてロール状にする手巻きタイプ。別に羽毛布団のようなデカいものを圧縮するわけじゃないからこれでちょうどいいと思った。
で、試しにやってみたのだが…どうにもおかしい。圧縮されている感じじゃない。いや正確には圧縮されているのだが、どうにも小さくなった感じがしない。
自分は「畳んでかさばった洋服を圧縮して小さくしたい」のだ。なのになんだか出来上がったものを見ると「これ本当にできてるんか…??」となる。
こういうときは実際に計測してみて数字で確認するのが一番いい。
なので実際にいつものやり方と圧縮袋を使ったものと比較してみた。
まず今回使うものはこちら。

冬に部屋着として使っているスウェットの上下2枚。このヨレヨレ感よ。生活感ありまくるのは許して欲しい。カッコつけてる場合じゃないのだ。
いつもこのように畳んで重ねて収納している。これを縦横高さの数値を測って体積を求める。

27*31*8=6696cm³
(縦横高さの順。すべてcm。)
そして今回はこの圧縮袋に入れてロール状に巻いていく。


「ロール状に巻いて丸めていく」という性質上、薄く伸ばしていく必要がある。普段こんなたたみ方は絶対しないが、これも巻きやすくするためである。

こうやって端っこからギュッギュッと空気を抜きながら巻いていく。反対側の端っこは空気が逃げる仕組みになっている。
できあがったものがこちら。

これをパンツも丸めて並べたものがこちら。

21*41*11=9471cm³(約41%アップ)
おう、どういうことやねん。体積増えとるやないか。
よく見ると圧縮袋の端っこが出てしまっている。これが体積が増えた原因のひとつ。さらに丸めたことで高さも出てしまった。
さらにこの並べ方、丸を2つ並べるやり方だとデッドスペースが生まれてしまう。

で、あるならば、「丸めたものを一度広げて、2つを重ねる」という方法にしたらどうだろうか?
それがこちら。

46*37*7=11914cm³(約78%アップ)
おう、どういうことやねん。体積増えとるやないか。
いつものやり方と比べて80%近くも体積が増えている。モノ自体は変わってないのに。お値段据え置きで増量とかファミマか??あっちは嬉しいがこっちは嬉しくもなんともない。
いったいなぜこんなことが起きてるのか?これは幾何学の法則が関係している。
まず一番大きいのが袋の余白があること。こいつのせいで畳んだ服を重ねるだけの状態に比べて無意味に面積が広がってしまった。
体積の計算は「全体の最長部分を結んだ四角い箱(外包直方体)」の大きさになる。一番出っ張った最長部で箱のサイズが決まる仕組みだ。
服の裾や袖の端っこや圧縮袋の空気弁やチャック部分の余白など、「厚みはほぼゼロだけど横に伸びている部分」がすべて縦横の最長寸法として加算される。結果として「中身は薄いのに空気も入っていない外枠の箱だけが無駄にデカい」状態。当然計算すればそのぶん数字も大きくなる。
さらに縦横高さの計算において高さを少し減らす代償として縦横が広がると、体積は一気に膨らむ。
実際、高さは8→7(12.5%減)だけなのに、縦横(床面積)837→1702(103%増加で2倍以上)になってしまっている。
なので、モノとして収納する場合は畳んだ服を重ねた状態=立方体に近いほうがよっぽどよかった、ということだ。
ちなみに「服を2枚薄く重ねた状態で巻いていけば最強じゃない??」と思われるかもしれない。たしかにそのとおりかもしれないが、自分はこれに否定的だ。
まず「薄く畳んだ状態で袋にいれる作業」というのが想像以上に面倒くさかった。中でグシャッとならないように慎重に袋にいれる必要がある。これがもうめちゃくちゃイライラするのだ。いったいなんのためにこんなことやってんだ??本末転倒じゃないか??と何度思ったことか。
次に丸めていく作業。空気をきちんと抜かないといけないので、端から念入りに空気を抜きながら巻いていく。これが面倒くさい。いちいちギュッギュッと押し付けながら巻いていくこの労力よ。
「いやそんなん衣替えのときだけにやればいい済む話やん??」と思うかもしれないが、だったらそれこそ圧縮袋なんか使わず畳んで重ねて収納するだけでいいはずだ。100均にいけばファスナー付きバッグはいくらでもある。しかも劇的に変わるわけでもなし。
すっごく雑にまとめると、「この手の服でこの圧縮袋だと性能を引き出すことはできない」というもの。冬物のセーターやダウンジャケットのような空気を大量に含むモノが効果的だそうだ。
いやー、マジで盲点だった。これが仮に掃除機で吸って圧縮するタイプならまだ違ったのかもしれない。
以上、圧縮袋を使ってみたら、全然変わらなかったどころかむしろ余計な体積と労力が増えて意味がなかったという実体験でした。
今後もっと性能の良い圧縮袋を買うか?と言われたらたぶん買わない。それこそ1/3まで小さくなる、というのなら話は別だが、その1/3にするためにどれだけのコストをかけられるか。たぶん自分は描けないんじゃないかな。もともと持ってる服も少ないことだし、そもそも収納には困っていないわけだから。

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